指定管理者制度ってどんな制度?
2003年9月に施行。
図書館などの公共施設の管理・運営を、民間の会社やNPO法人などに、任せることができるようになりました。
目的は、コスト削減やサービス向上のためと言われています。
なお、指定管理者とは、「民間」って、表現して良いのかなと思ったのですが、調べてみると、正しくないようです。
図書館に限ると、民間企業が80%とほとんどなのですが、他にも、公共団体、NPO、地域団体があります。
なので、指定管理者=民間という表現は、正しくないので、少し堅苦しいですが、「指定管理者」という表現を使いますね。
指定管理者が運営している図書館は、22%ある
その指定管理者制度は、すべての図書館の中で、どれくらいの割合で、採用されているのでしょうか?
図書館の数で見ると、約22%
公共図書館 :3,310館
そのうち指定管理者: 731館
(日本図書館協会の調査 2021年現在)
多いと思いました? それとも、少ないですか?
僕は、10%くらいかなと思っていたので、予想より多かったです。
図書館がある自治体(県・市区町村などの区分)の中で、指定管理者を使っている自治体の割合は、約16%
公共図書館 :1,788
そのうち指定管理者: 283
一つの自治体で、複数の図書館を、指定管理者を導入してるってことですね。
指定管理業者の導入数は、少しづつ増えているが、近年は鈍化している
2003年9月に施行されて、図書館で、実際に指定管理者を採用し始めたのが、2004年。
その年度の指定管理者の新規導入数をグラフ化しました。
新規に導入した数なので、直営に変えた数は含まれていません。
2006年から一気に増えています。
コスト面を安くしたいという自治体が多かったのでしょうか??
ここ5年は、増加数はだいぶ落ち着いていますね。
民間の会社は、一社がダントツで、64%のシェア
図書館を運営している民間企業には、どんな会社が参入しているのでしょうか。
NPOや公共団体を除いた、民間の会社です。
指定管理者のうち80%を、民間企業が占めています。
一覧にしてみました。
<参考資料:公立図書館の指定管理者制度導入状況: 2018年度以降の動向を中心に(桑原 芳哉さん)>
数社でシェア率を分けているかと思っていましたが、(株)図書館流通センターが、圧倒的なシェアですね!
次は、人材派遣系の会社の(株)ヴィアックス。
ここも、2017年比で、大きく伸びています。
頭に浮かんだ人が多いと思う、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)(TSUTAYA)は、10館となりました。
いろんな意味でも話題になりましたので、もっと、多いイメージはありませんでしたか?
僕は元TSUTAYAの社員ですが、Web専門の会社(TSUTAYA)のマーケティング担当なので、カルチュア・コンビニエンス・クラブが担当している図書館事業のことは、詳しく知りません。
ですが、利益が出る座組み(取引関係)には見えませんでしたので、数はあまり増えないと考えていました。
スタバの売上が多かったんじゃないかと思います。
どの業界でも言えますが、一社独占というのは、競争原理が働かないため、サービスの向上があまりされなくなると言われています。
(株)図書館流通センターに続く、(株)ヴィアックスの台頭は、喜ばしいことかもしれませんね。
次の調査は、(株)図書館流通センターの実績
「新図書館特集 vol.3 運営方法を提案しているのは誰?」で、お伝えしたように、伊東市が「民間」と言っている会社は、(株)図書館流通センターで確定だと考えています。
ですので、次は、この会社の実績について調査してみます。
気になるのが、運営は民間会社で話を進めている理由の「ノウハウ」という部分。
果たして、新図書館のような規模と内容の図書館の運営実績はどれくらいあるのでしょうか。
参考文献
公共図書館の総数
日本図書館協会「日本の図書館統計 2021年」
https://www.jla.or.jp/library/statistics/tabid/94/Default.aspx
指定管理者の情報
公立図書館の指定管理者制度導入状況: 2018年度以降の動向を中心に(桑原 芳哉さん)